2026年8月20日、日本特種ボディー株式会社(NTB)は長野県飯島町を訪問し、飯島町の唐澤町長、日本福祉大学の山本克彦教授、当社代表の蜂谷による三者対談を行いました。

会場となったのは、中央アルプスと南アルプスに囲まれた飯島町の千人塚公園キャンプ場。

豊かな自然環境を活かした地域づくりから、近年各地で相次ぐ自然災害への備え、車中泊避難、そしてキャンピングカーのフェーズフリーな活用まで、幅広いテーマについて意見を交わしました。

日本福祉大学 山本教授(左)・飯島町 唐澤町長(中央)・NTB代表取締役社長 蜂谷(右)

自然と人の営みがつくる飯島町の魅力

対談は、唐澤町長による飯島町の紹介から始まりました。

飯島町は、中央アルプスと南アルプスに囲まれ、天竜川や水田、特徴的な地形が織りなす景観が広がる地域です。古くから米づくりをはじめとした農業も盛んで、唐澤町長は「人の営みがあって自然景観がある」ことを町の魅力の一つとして紹介しました。

会場となった千人塚公園も、農業用ため池やかつてのスケート場としての歴史を持ち、現在はキャンプ場やRVパークなどを備えたアウトドア拠点として活用されています。

初めて現地を訪れた蜂谷も、周囲の景観や水辺の環境、設備の充実ぶりに触れ、「家族やキャンピングカーユーザーが集まって楽しむ場所として、とても魅力的」と印象を語りました。

二つのアルプスに囲まれ、農業の盛んな長野県飯島町

「安心・安全に旅ができるキャンピングカー」を

対談では、NTBがキャンピングカーづくりで大切にしている考え方についても紹介しました。

蜂谷は、NTBが第一に考えていることとして「安心して安全に旅ができるキャンピングカー」を挙げました。

キャンピングカーに慣れていない人でも安全かつ快適に利用できること。そして、家庭で電気を使うような感覚で車内の設備を利用できるよう、電源システムをはじめとした技術開発にも取り組んでいます。

こうした「旅先で快適に過ごすための機能」は、実は災害時にも大きな力を発揮します。

唐澤町長にキャンピングカーづくりで大切にしていることを語る蜂谷代表

キャンピングカーを「災害時の移動拠点」に

飯島町では、防災倉庫の整備をはじめ、バックホー(ショベルカー)や車両、簡易トイレ、スポットクーラー、通信・給水関連設備など、災害時に必要となるさまざまな資機材の整備を進めています。一方、設備だけではなく「人をどう育てるか」も重要なテーマです。

唐澤町長からは、役場職員だけでなく、地域ごとに防災に精通した人材を育成し、住民自身が地域の中で対応できる仕組みをつくっていきたいとの考えが示されました。

そうした中で議論が広がったのが、キャンピングカーを災害対応の「移動拠点」として活用する可能性です。

蜂谷は、災害発生直後に現地へ入る先遣隊や支援者にとって、車内で会議や休憩、食事、宿泊ができ、電力や通信環境を確保できるキャンピングカーは、自己完結しながら活動するための拠点になり得ると説明しました。

唐澤町長からも、局地的な災害が発生した際、現場近くで状況を把握し、役場の災害対策本部と情報を共有する「現地の状況把握や情報共有を担う移動型の災害対応拠点」のような使い方が考えられるとの意見が出されました。

また、被災地へ支援に向かう自治体職員や支援者にとっても、自らの食事や宿泊場所を確保し、被災地域に負担をかけずに活動する「自己完結」の重要性についても意見が交わされました。

飯島町を走る「EXPEDITION STRIKER」

車中泊避難も「多様な避難」の選択肢に

対談では、住民側の避難についても議論が及びました。

指定避難所には収容人数に限りがあり、プライバシーを確保しながら避難生活を送ろうとすれば、実際に受け入れられる人数はさらに限られます。

山本教授からは、避難所への避難だけでなく、在宅避難や車中泊避難などを含めた「多様な避難」を地域全体で考える必要性が示されました。

今回の会場となった千人塚公園キャンプ場のように、車を受け入れられる広いスペースを持つ場所は、車中泊避難について実践的に考えるフィールドにもなります。

飯島町では今後、実際に車両が避難してきた際の受付方法や健康状態の把握、車両の配置などを体験的に学ぶ取り組みも予定されています。

中央アルプスと南アルプスに囲まれる千人塚公園キャンプ場

平時にも有事にも役立つ「フェーズフリー」

対談後半では、「フェーズフリー」についても意見交換しました。

フェーズフリーとは、平時と非常時を分けて考えるのではなく、普段使っているものやサービスを、非常時にも役立てていく考え方です。

蜂谷はキャンピングカーについて、平時にはレジャーだけでなく、地域イベントでの休憩スペースや、移動型の行政機能、山間部での活動拠点など、さまざまな用途が考えられると説明。

そして非常時には、その空間や電力、通信、宿泊機能などを活かし、支援活動や災害対応の拠点として活用できます。

「災害時だけのために確保して置いておくのではなく、平時からしっかり使う」。

こうした考え方は、自治体が限られた資源を有効に活用していくうえでも、一つの選択肢になり得ます。

飯島町でも、森林資源を活用した取り組みや地域イベントなどが行われており、唐澤町長からは、電源を確保できる車両を平時の地域活動にも活用できる可能性が語られました。

「EXPEDITION STRIKER」を試乗する唐澤町長

旅のために磨いてきた機能が、災害時にも役立つ

NTBのキャンピングカーでは、走行中の充電に加え、ソーラーパネルや大容量バッテリーなどを組み合わせ、旅先でも電力を確保しやすい環境づくりを進めています。

本来は「旅先でもエンジンをかけず、エアコンなどを使いながら快適に過ごしたい」というキャンピングカーユーザーのニーズに応えるために磨いてきた技術です。

しかし、その機能は停電やインフラ障害が発生する災害時にも活用できます。

蜂谷は、旅行時の快適性を高めるために開発してきた電源システムが、そのまま災害時にも役立つ仕様につながっていることを紹介しました。

これはまさに、平時の価値と非常時の価値を分けない「フェーズフリー」の考え方にも通じるものです。

飯島町役場では町民の皆様へ「EXPEDITION STRIKER」をご紹介

地域で使われ続けるキャンピングカーを目指して

今回の三者対談を通じて見えてきたのは、キャンピングカーの可能性は「旅」だけにとどまらないということです。

地域イベントやアウトドアでの活用、移動型の活動拠点、行政機能の補完、災害時の情報拠点、支援者の宿泊・休憩拠点、そして車中泊避難。

旅のために磨いてきた快適性や自立性を、平時の地域活動にも、そして有事にも活かしていく。

NTBはこれからも、安全・安心で快適な旅を支えるキャンピングカーづくりを基本に、その機能が地域や社会のさまざまな場面でも役立つ可能性を追求してまいります。

飯島町での今回の対話も、キャンピングカーの新たな役割を考える貴重な機会となりました。

「EXPEDITION STRIKER」をバックに三者で記念撮影