日本特種ボディー株式会社(NTB)は2026年5月、徳島県鳴門市にて、鳴門市長・泉理彦氏、一般社団法人フェーズフリー協会 代表理事・佐藤唯行氏をお迎えし、「フェーズフリー認証モビリティがつくる未来」をテーマとした三者対談を実施いたしました。
今回の対談では、近年注目が高まるフェーズフリーの考え方を軸に、キャンピングカーが果たす新たな社会的役割や、地域づくり、防災、官民連携の可能性について意見を交わしました。

「日常」と「非常時」をつなぐフェーズフリーという考え方
対談の中で泉市長は、鳴門市が2019年から地域防災計画にフェーズフリーの考え方を取り入れていることを紹介しました。
フェーズフリーとは、「日常で使われているものが、非常時にも役立つ」という考え方です。
従来のように災害時専用の設備を整備するだけではなく、普段の暮らしを豊かにするものが、そのまま地域の防災力向上にもつながる社会を目指しています。
泉市長は、
「日常価値を高めながら防災にも役立つものを増やしていくことが重要」
と語り、鳴門市が進めるフェーズフリーなまちづくりについて紹介しました。
キャンピングカーは“動く社会インフラ”
今回の対談では、キャンピングカーを単なるレジャー用途の車両ではなく、「動く社会インフラ」として捉える視点が共有されました。
キャンピングカーは、
・移動できる
・電源や居住空間を備えている
・その場で生活機能を持てる
という特徴を持っています。
災害時には避難拠点や支援拠点、通信・電源確保の場として活用できるだけでなく、平時には旅行や地域イベント、ワーケーションなど幅広い用途で利用できます。
泉市長は、
「一つの施設は動かない。しかし様々な機能を持ったモビリティが集まれば、新しい拠点になる」
と語り、モビリティが地域インフラとして持つ可能性について言及しました。
社会に役立つキャンピングカーの条件とは
対談では、「社会に役立つキャンピングカーとはどのようなものか」というテーマについても議論が交わされました。
災害時に活躍する車両というと、大型で特殊な装備を備えた車両を想像しがちですが、三者に共通していたのは、
“誰もが使えること”こそが社会に役立つための条件である
という考え方でした。
鳴門市は古くからの街並みが残り、狭い道路も多い地域です。
そのような環境では、どれほど高性能な車両であっても現場へ到達できなければ意味がありません。
泉市長は、
「いくら良いものを持っていても現場へ行けなければ意味がない」
と語り、
・狭い道でも進入できること
・普通免許で運転できること
・女性や高齢者を含め多くの人が扱えること
の重要性を強調しました。
誰でも使えることが地域の力になる
蜂谷社長は、NTBのモビリティ開発において、
・普通免許対応
・AT限定免許対応
・小回り性能の向上
・一般駐車場に対応するサイズ設計
を重視してきたと説明しました。
これは単なる商品性能ではありません。
災害時だけでなく、平時においても多くの人が利用しやすいことが、結果として地域全体の活用機会を増やし、有事の備えにもつながるからです。
また、蜂谷社長は自身を「アウトドア派というよりインドア派」と表現し、
「快適な生活環境をそのまま移動できることが大きい」
と語りました。
快適な居住空間や空調、通信環境など、日常の豊かさを追求した機能が、そのまま非常時の安心にもつながっています。
なぜ“フェーズフリー認証取得モビリティ”なのか
対談では、「キャンピングカーであれば何でもフェーズフリーというわけではない」という点についても議論が交わされました。
佐藤代表理事は、
「災害時に役立つだけではフェーズフリーとは言えない」
と説明します。
大切なのは、
・普段から使いたくなること
・日常の暮らしを豊かにすること
・その結果として非常時にも役立つこと
です。
さらに、
「言ったもの勝ちではなく、本当に日常価値と非常時価値を両立しているかが重要」
と語り、その客観的な指標としてフェーズフリー認証の意義を説明しました。
NTBが開発した日本初のフェーズフリー認証取得キャンピングカー「EXPEDITION STRIKER」も、こうした考え方をもとに開発されています。
官民連携による社会実装へ
今回の対談では、フェーズフリーな社会づくりには行政だけでなく、企業、市民、教育機関など様々な主体が関わることの重要性も語られました。
NTBでは現在、平時はレンタルや地域活用を行いながら、有事には自治体支援にも活用できるモビリティ運用モデルの構築を進めています。
普段から使われているからこそ、車両は整備され、運用ノウハウが蓄積され、災害時にもすぐに機能する。
それこそがフェーズフリー認証モビリティの大きな価値です。
モビリティが社会を強くする未来へ
対談の最後には、モビリティが地域社会の新たな可能性を広げる存在になるという未来像が語られました。
防災だけではない。
レジャーだけでもない。
日常を豊かにしながら、いざという時には地域を支える。
そして複数のモビリティが集まることで、避難、通信、電源、宿泊、物資輸送などの機能を持つ「動く拠点」が生まれる。
それは従来の固定施設にはない、新しい社会インフラの形です。
NTBはこれからも、フェーズフリー認証取得モビリティの開発と社会実装を通じて、地域に寄り添う新たなモビリティの価値創造に挑戦してまいります。
日常を豊かにするモビリティが、災害に強い社会をつくる。
日本特種ボディーは、フェーズフリー認証モビリティを通じて、誰もが安心して暮らせる未来の実現を目指してまいります。